チリンという村で
チリンという村に行って一晩泊まった民家には、チンギスハンがラダックに攻め込んで来た時に放った弓矢が保管されていた。
何百年も前の弓矢が矢筒に入ったまま打ち捨てられていた物を拾って取っておいたという。
100年以上も前のズッシリとした刺繍の施された晴れ着も、飾り打ちの素晴らしい薬缶に玉の盃やお椀とか、ビックリする様な物が飾られた棚をみせてもらった。
代々彫金師の家柄だったらしく、ヒイヒイお爺さんの代くらいにネパールから王様に呼ばれてラダック王国へ渡って来たという。
こんな地にあんな地から王様に呼ばれて彫金の腕を買われてやってきて、今も細々と彫金を続けているのも凄いことだと関心する。
その家の下の女の子だけが村でたった1人小学校に通っているのだそうだ。先生はその子1人に3人いるから、休めないと言っていた。目の綺麗な子。
着いて荷物を路から宿へ運び上げる途中でドライバーが足を挫いたらしく、翌朝家人に呼ばれてドライバーの足を見せてもらうとどうしようもなく腫れ上がっていたので、ミントの葉を揉んで持っていた伸縮包帯で踵を巻き付け、町の病院まで運んでもらった。
後で聞いたら踵を粉砕骨折していたらしい。暫くは仕事も出来ず家族は大変だろうという話だった。